韓国での乳がん治療体験記⑤ 病室での日本人と韓国人の違い。
前回の内容はこちら。
手術した日の翌朝。
夫は朝早くから家に帰って息子を保育園に送り、その時に保育園の先生から娘を受取り、家に居る義母に娘を預けて、8時頃に病院に戻ってきました。
朝8時は朝食の時間です。
いきなり、シャーッとベッド間を区切っているカーテンが開け放たれました。
看護師さんが来て、みんなのカーテンを開けていくんです。
食事はみんなで一緒に楽しく食べよう!って感じですかね。
ちょっとびっくりしましたが、
[これってすごい韓国っぽい]と思いました。
私にも食事が出されたので夫にベッドの背を起こしてもらったのですが、まだ完全には起き上がれなくて、お皿から顔が遠い・・・
使える右手でお皿を持ったら、箸を持てない・・・
なので、夫が食べさせてくれました。
前日は夜に水を飲んだだけだったので、ものすごい空腹。
[急にこんなに食べて良いのかな?]と疑問に思いましたが、[食事が出されているから良いんだろう]と納得して、良く噛みながらもガツガツと。
しかもキムチあるし。
いつもは夫に「あれしろ、これしろ」と使われているので、ここぞとばかりに「あれして、これして」と指示をして、私の言う通りにする夫がちょっと面白い、なんて思っていました。
夫がどれだけ不安な思いでいたかも知らずに。
病室の人達はおしゃべりしながら食べています。
韓国人は心にあることをそのまま相手に伝えるので、初対面で話していても付き合いの長い友達のような親しい間柄に見えます。
病室がまるで同窓会のような雰囲気。
私は病室の人達の会話をただ聞いて様子を伺っていました。
どうやら病室の6人中5人は乳がん患者らしい。
たまに私にも話しかけてくれる。
と言うか、私が一体何者なのか、どんな状況なのかを知りたいらしい。
[そりゃ気になるよね、外国人だし。]
でも患者さん達の質問には何故か夫が返事をしている。。
[もう元気だから話せるんだけどな・・・]
と思ったのですが、それには理由があったんです。
会話を聞いていると、夫は他の患者さん達に色んな事を聞いて情報を集めている。
乳がん患者の食事のこと、病院のこと、治療のことなどなど・・・
なるほど、同じ乳がん患者さんに聞けば色々知っている。
でも、みんな自分の持論をああだこうだと言うばかり。
「脂分は食べたらいけない」
「肉はダメ」
「チョコレートはダメ」
「コーヒーは飲むな」
「汗ばむくらいの運動を毎日しろ」
「添加物は絶対に食べるな」
あれが良い、あれは良くない、こうしろ、ああしろと、癌患者の掟!みたいな勝手なルールが色々出てくる出てくる・・・
[それ全部やったら、ストレスが原因で癌が再発しそうだよ]
なんて聞きながら思っていました。
脂分をたくさん摂ったらいけないから、「サムギョプサルは食べれない」と悲しんでいる人も居ました。
サムギョプサルを知らない方は↓こちらをご覧下さい。
jonsama.com
韓国人は他人の事によく干渉してくるので、もしかしたらこのお姉さま達に「それ食べない方が良い」とか「こうしたら良い」とか、入院中はいちいち干渉されるのではないか・・・と言う考えが頭をよぎったのですが、その後はまさしくその通りになりました😭
この日はお昼近くまでベッドから動けなかったので、病室の様子が少し分かってきました。
どうやら部屋に1台あるテレビは無料で、リモコン操作は誰がしても良いけれど、一番年上の人が優先らしく、それ以外の人は、見たい番組があればみんなに声を掛けてチャンネルを変えていました。
ここでもまた日本人と韓国人の違いがありました。
韓国人は見たい番組があると、周囲の様子をうかがったりせずに思ったらすぐ
「見たい番組があるからチャンネル変えても良いですか?」
と普通に言います。(普通の声が大きい声なのですが)
そして、もし今見ている番組をそのまま続けて見たい人が居たら、その人は
「私はこれを見たい」
とはっきり言います。
ケンカにはならないし、[否定された]とか傷ついたりもしません。
「そう、じゃあ終わったら譲ってください。」
とか、
「でもやっぱり見て良いですよ。散歩してきます。」
と譲ったりとかして、後腐れなくあっさりと解決します。
韓国人の会話って、家族みたいに遠慮のない会話なんです。
なので、韓国人の友達との付き合いは楽ちんです。
でもたまに
「その服の色は似合わないから、こういう色にしたら良い」
とか、日本人からしたら[余計なお世話だよ!]と思うことを普通に言ってきます。
でもその韓国人は親切で言っているんです。
韓国人同士だったらなんてことない会話なんでしょうけど、私は日本で育ったのでなかなか慣れませんでしたが。
つづく。。↓↓
韓国での乳がん治療体験記⑥ 国際結婚家庭の悩み - 気ままに行こう