韓国での乳がん治療体験記⑩ 抗がん剤投与前の準備と副作用
↓ 前回までの内容はこちらです。
韓国での乳がん治療体験記① 大きなしこり - 気ままに行こう
韓国での乳がん治療体験記④ 子供達の面倒は誰がみる? - 気ままに行こう
韓国での乳がん治療体験記⑤ 病室での日本人と韓国人の違い。 - 気ままに行こう
韓国での乳がん治療体験記⑥ 国際結婚家庭の悩み - 気ままに行こう
韓国での乳がん治療体験記⑦ 韓国語を話せない両親が韓国に来た! - 気ままに行こう
韓国での乳がん治療体験記⑧ 言葉が分からない外国生活と検査結果 - 気ままに行こう
韓国での乳がん治療体験記⑨ 患者さん独自の食事療法 - 気ままに行こう
抗がん剤治療を投与して、とりあえず体調不良はありませんでした。
前回お話ししたサプリメント[AHCC]のお陰なのか、それとも私の体質に合っていたのかは分かりませんが、
本当にありがたいことです。
強い抗がん剤を投与したのに副作用がないなんて「私の体ってすごい!」なんて思っていたのですが、日本に来てから知り合いになった方が乳がんになり同じ抗がん剤を使用したのですが、その方は抗がん剤投与中から髪の毛が生えてきていたので、特に自慢することでもないんだなって思うようになりました😅
さて、抗がん剤治療が始まる直前は、ちょっと不安になりました。
何故かというと、副作用がどう出るかは人によって違うので、なければ良いけれども、ひどいかもしれない。
考えても仕方ないことですが、不安もあった為か副作用のことばかりが頭に浮かびました。
そして、抗がん剤投与・・・その前に・・・
CVポートの埋め込み
実は抗がん剤が強いために血管を弱くしてしまう恐れがあることと、万が一抗がん剤が血管から漏れたときに大変なことになること、それから抗がん剤が早く体中にまわるようになどなど様々な理由から、CVポートという物をいれる手術をしました。
CVポートを埋め込んだ場所は、癌の出来た左胸とは反対側の右胸の右上(分かりにくいですね・・)、言い方を変えると、右脇のちょっと左側、鎖骨から7㎝ほど下辺りにCVポートを埋め込みました。
CVポートって何だ?って思いますよね。
私の場合だと右胸から心臓まで届くカテーテルを埋め込むんです。CVポート自体はシリコンで出来ている10円玉くらいの大きさで厚さ1センチくらい(??)の本体があり、その先にカテーテルが付いている物です。で、そのカテーテルを血管を通して心臓までのばします(と説明を受けました)。カテーテルをどうやって血管に通すかはナゾですが、自分の中に入れていた物なのに何だか恐いので調べたことはないです。
ポートに関して気になる方はこちらをご覧下さい。図があって私の説明より分かりやすいです。
↓ ↓ ↓
このポートを埋め込み、CVポート本体に抗がん剤を投与する点滴の針を刺して、そこから抗がん剤を投与すると心臓まで抗がん剤が流れていくので、一気に全身に届くらしいです。
日本では使わない場合もあるようですが、韓国での抗がん剤治療はCVポートを使用しました。
ポート自体は半年の抗がん剤治療が終わるまで埋め込みっぱなしです。
でも痛くもないし、ただ見た目にはちょっと丸い物が入っているのが分かり、触れば丸い平たい物が右胸上部にあるなって感じで、取り立てて飛び出ていて目立つわけでもありませんでした。
でも、知らない人が見たら、体に何か入っているので痛そうに見えたと思います。
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点滴を受け続ける苦痛
このCVポート、ものすごい楽でした。
両手が自由なので。
腕から針を刺して抗がん剤などの点滴を投与したら、針を刺しているの腕は不自由・・・
しかも、私は左腕はリンパ節を切除しているので圧迫してはいけません。なので、手術以降は点滴・注射・血圧測定などは全て右腕でしていました。
長期間点滴したことがある方は分かると思いますが、数日経つと点滴している部分の血管が触って分かるほどに硬くなってくるんです。そして痛い・・・😫
2週間点滴を続けた上、血液検査等で採血するのも右腕。私の右腕は注射針に刺されまくり、最初は右肘の内側にしていた点滴の針も、その血管は硬くなってしまい休ませないといけなくなったので、次は前腕。そこも硬くなると、その次は手の甲。
右腕はあちこちの血管が痛くて常に冷やしている状態だったので、ポートを入れた時には開放感がありました。
余談ですが、腕から採血をする場所がなくなったときには、足の甲から採血をしました。これがまた痛いんです。ものすごい痛い😖
そんなこともあったので、傷跡は残るとしてもCVポートは本当にありがたかったです。
そんなわけで、抗がん剤治療の期間は思ったよりも楽に過ごせました。
ホラー映画の一場面のように髪の毛が抜け続ける・・・
さて、1回目の抗がん剤投与が終わりました。
担当医の話によると、髪の毛が抜け始めるのは抗がん剤投与してから2週間ほどしてからとのこと。
またもや私は「髪の毛も抜けないかも♪」なんて思っていました。馬鹿です。でもそれくらい副作用がなかったんです。
弱い抗がん剤を投与している人達でさえも、だるさやつわりののような気持ち悪さがあって食欲が落ちていたのに、私はガツガツ食べて元気だったので、病院の中でちょっと噂になっていたようです。「日本人はすごい!」と。
海外にいると私という一個人である以前に、日本人代表なんですね。
抗がん剤投与してから2週間後の朝。
2日間もタイミングをのがしてシャワーが出来なかったので、朝一番でシャワー室に行きました。病棟のシャワーの時間が決まっているので、時間になったらすぐに!(確か6時から使用可能でした。)
背中の中程まであった長い髪の毛をお団子にしてまとめっぱなしだったので、頭も痒い😣
髪をほどくと、あらら??髪の抜ける量が半端ない。
抗がん剤を投与してから、この日がちょうど2週間目と言うことを忘れていたので、最初は2日間も洗髪していなかったせいかな?と思ってシャンプーをしていました。
が・・・
髪の毛がいつまでもゴッソリと抜け続ける。
そこでやっと気がつきました。
これって副作用??🙄
(↑ こんな量ではないです。この何十倍も一気に指に絡まってくるんです)
とにかくシャンプーを流そうとしても、ずーっと抜け続けるので切りがない。。
(どうせ抜けるのにトリートメントは必要なのか?)
と疑問に思いつつも、シャワー室の床一面が髪の毛で覆い尽くされているのに、頭にはまだ髪の毛がたくさん頭に残っているのでトリートメントをしました。
が・・・
トリートメントを髪になじませながら髪が抜ける。トリートメントを流すとまた髪が抜け続ける・・・😱
もういい加減に切り上げようとしても、手ぐしを通す度にスルスルと抜けて、長い髪が指に絡まってくる。だんだん笑えてきました。
とりあえずタオルを取って髪を拭いてもタオルに抜けた髪が付く。
脱衣所に移動して、ドライヤーをかけたら部屋中に髪が散らばる。
どうしたら良いのだろうと考えながら、とりあえずドライヤーで髪を
乾かしました。
髪を乾かし終わってから眼鏡をかけて部屋を見ると、狭いシャワー室内の床一面髪の毛。壁にまで髪の毛が大量に張り付いていて、なんだか恐ろしい光景😱
ドライヤーをかけた 脱衣所の床も髪の毛が散らばっている・・・
髪をまとめて一つに縛ろうとしても抜けてうまくまとめられない💧
とにかく抜け続けるんです。
抜けた髪を片付けようと集めていたらすごい量。黒猫でもいるのか?と思うほどでした。
その時ちょうど掃除のおばさんが来て、掃除をして下さったのでとても助かりました。
でも、あれだけ抜けてもまだ残っている髪の毛。
ちょっとボリュームがなくなったけど、まだ普通に見える。
(早くウィッグを買いに行かないとな)
実はこの日は退院する日だったんです。
なので、退院したその足で、カツラ専門店に行きました。
まつ毛の働き
抗がん剤の副作用で抜けるのは髪の毛だけではなく、まつ毛も抜けます。
まつ毛が抜けてからは、洗顔後に顔に保湿クリームを塗ると、上まぶたと下まぶたがペタペタくっついてしまい、乾くまでの間はちょっと不自由でした。
マバタキする度にペッタリと上下のまぶたがくっついて目が開けずらい、というか、目を開けるのに時間がかかる。
マバタキって一瞬ですよね?本来は。でも一瞬では開けられないんです。
目が開かないので最初はびっくりしました😵
この状態で車の運転なんてしたら非常に危険です。2秒くらいは前見えないし。
(目の周りにクリームを塗らなければ良いだけの話しですが・・・)
まつ毛があるお陰で、マバタキは一瞬で出来るんですね。
まつ毛ってスゴイ!!😆
産毛も抜ける!
これは考えもしなかったのですが、産毛まで抜けていました。
何故分かったかというと、ある日、化粧ののりがものすごい良かったんです。何でだろう?と思っていたのですが、顔の産毛がなくなっていたからなんです。
気づかないうちに抜けてなくなっていたんですね。
産毛は弱そうだからこのまま生えてこないんじゃない?なんてまた勝手に考えていたのですが、抗がん剤治療が終わったらしっかり生えてきました。
抗がん剤の副作用は個人差あり
私の場合には、上記以外の自覚できる副作用はあまりありませんでした。きっと私の体質に合っていたのだと思います。
後半のAC療法では、手先のしびれがちょっとあったのですが、最初の抗がん剤投与の時だけで済みました。
でも、弱い抗がん剤でも「副作用でツラい」と言って居る人がいました。どうツラいのかと言うと、吐きはしないけれども常にツワリ状態とのこと。抗がん剤治療終わるまでの半年間、ずーっとツワリのような気持ち悪さがあるって、本当に大変だと思います。
私は吐き気等の副作用がないとは言え、抗がん剤治療の間はずーっと吐き気止めの薬が処方されていました。飲み忘れることが結構あったのですが、それでも吐き気は全くありませんでした。
抗がん剤の副作用、こればかりは個人差があるようです。
ちなみに、韓国で弱い抗がん剤を投与していた方達は髪の毛は一切抜けていませんでした。
話を聞くと、ちょっと抜け毛が多くなったと言いますが、見た目には全く分からない程度です。
医療の進歩はすごいですね。
続く。。